■1回生(新井清一先生)
課題1 Lighting Fixture~与えられた条件を読み解くことで生まれるカタチ
身近な材料を使っての照明器具制作。いってみれば光るオブジェの制作です。
段ボールやペットボトル、卵の殻、空き缶等を使った作品の数々。
中でもカネダイン(←模型をつくるときに使う接着剤)を固めてつくったランプシェード…(笑)
グニャグニャ動くやわらかさと透明性がある新しいテクスチャーを発見した作品だった。
ちょっとどこかの物件でチャレンジしたい作品?!(笑)
あと砂時計方式のミョウバン照明。
蓄光性のあるミョウバンが光の強度を変化させていく作品。
これも素材の実験を繰り返し、発見し、作品にいかすことのできた
プロセスを含めてモノづくりの手本になるような作品だった。
課題2 身体をゆだねる媒体〜構造・機能性への対応
面材をもちいての上記の媒体を制作。
いってみればイス?…のようなものを制作。
課題1から一歩進んで身体との接触が発生するオブジェ?家具?モノ?を制作。
段ボール、ストロー、ビニール製のテーブルクロス、畳表、金属製のホース、スポンジ…等々の
素材でを「身体をゆだねる媒体」を制作。
構造的な作品がおおく、なまじ構造力学を学ぶより
よほど構造の勉強になる課題だ。
中には製品化すればすぐにでも商品になるようなものも…。
百花繚乱のアイデア。ホント圧倒されます。
課題3 わたしをつつむ空間〜他との関係性
「自己と環境の間のメディア、つまりインターフェイスとしての自身を…具現化する」
「わたしを表すもの」を図面と1/5模型での表現する。
講評では「自分のために空間を構想したことがないのでわかりません」
なんて言ってしまったけど、
現代は個人の特化した趣向がデザインやファッションをリードするんだから
自己を表現することも大事なことである。
建築だって作家の発露や決定が建築のあらわれ方に大きく影響するんだから、
自己表現の大切さは当たり前のことといえば当たり前のことだ。
作品に「自己を反省する空間」「わたしの存在を確認する、また発見される装置」なんて出て来たから
なんて自己完結的なというか引きこもりというか…
社会から隔絶した世界でモノが生産されちゃって…なんて感じてたが、
よくよく考えてみれば、そんな難しい話でもなかったのかもしれない。
1回生のこの時期の課題としては適切な課題だったんだなぁと…思いなおす。
なんにしても模型もよくできていたし、プレゼンボードも個性的なのが多くて
十分「わたし」の表現ができていたように思う。
以上1回生の課題はオブジェ(みるもの)→家具(接触するもの)→空間(包まれ体感するもの)と
ステップアップしていく3つの課題でした。
それにしても新井先生、さすがアメリカで教育受けただけある。
否定的な言葉が最後まで出ませんでした。
少しでもいい所をみつけて…というような姿勢での指導。
ほめることが下手な僕は、やっぱり教育者になれないと改めて自戒した。
2回生の課題…週明けに続く