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大場修先生(京都府立大学)/日本建築学会(論文)受賞を祝う会060918

上記パーティーが昨日、中之島公会堂の地下レストランでありました。

本学ではこれまた恩師の林野全孝名誉教授につづいての受賞。
いやあ〜いい研究室に在籍してたもんだと、
この期におよんで誇らしく思い直したりします。
この学校には設計のゼミがなかったから入ったようなゼミでしたが
その後の活動にも大きな影響を与えられたゼミでもありました。

在籍していた研究室(住居意匠学講座)では町家のフィールド調査をし、
現況や復元図を描きおこすことが院生、学部生の仕事で
大場先生がその段取りや取りまとめをされてました。
このフィールド調査はホントに楽しく(酒もたくさん飲ませてもらったしね)、
いまから思えば素晴らしい訓練になっていたなぁと強く感じます。
僕らの時代には枚方や姫路の商店街なんかを泊まりがけで行ったりしました。
学生は現況の立面、平面、矩計をスケッチしながら寸法をとっていきます。
先生や院生は痕跡調査(むき出しになってるほぞ穴等をチェック)や写真をとってまわります。
これはもうプロの仕事で学生では歯がたちません。

その調査をもとに外観や平面、構造の分析や報告書を作成することが主な研究。
ホームページの経歴にもありますが
『1987日本建築学会設計競技 「共同 全国入選・佳作」受賞 日本建築学会』は
古い街並みを保存・活用しようという内容。
大場先生、パートナーのコバヤシ共々参加したコンペです。

古いものなんぞと壊しちまえ!なんて(きっと)思っている高松師匠とは違い、
なんとか歴史との文脈を建築の表現の中に残したいと思いながら仕事をしているのも
この研究室に在籍したことが全てではないかと思っています。
それにしても高松先生も学会賞もらってるし…僕らもがんばらなあきまへんなぁ(苦笑)


以下京都府立大学のHPより

■ 人間環境学部 大場 修 教授 2006年日本建築学会賞(論文)受賞 ■
 [2006年8月9日]

 日本建築学会賞は、(社)日本建築学会(明治19年創立)により建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかるとともに、わが国の建築文化を高める目的で設置された賞で、今年度の学会賞(論文)を本学の人間環境学部環境デザイン学科 大場 修(おおば おさむ)教授が受賞されました。



 同学会賞の論文部門は、近年中に完成し発表された研究論文であって、学術の進歩に寄与する優れた論文に贈られる賞です。
 大場教授は「『近世近代町家建築史論』に集大成された一連の町家研究」の論文で、日本の町家に関する研究が今年度の受賞業績に選ばれ、5月30日に東京都の同学会本部にて賞牌、賞金が贈呈されました。
 本学では、林野全孝名誉教授(昭和56年度受賞)に次いで二人目の受賞者となります。
 

大場 修 教授 受賞コメント
 『近世近代町家建築史論』に集大成された一連の町家研究

研究を支えた助手時代

 人生を節目で区切る方法は様々ですが、私の場合3つに分けると都合が良いようです。一生を25年間毎に前・中・後期に分けるとすれば、ちょうど大学院修了までが私にとっての前期です。今年51歳。中期を終えたばかりで、後期の一年目に当たるという次第です。

 私の中期は、1980年本学の助手に奉職して後の25年間です。
 着任早々、フィールドワークが待っていました。龍野旧城下町(兵庫県)の町並調査で、林野全孝教授(現名誉教授)に連れられ、わけもわからず取り組んだ調査が、そのまま私のライフワークになりました。龍野の研究を端緒として、その後の25年間の町家研究を纏めたのが『近世近代町家建築史論』(中央公論美術出版、2004年刊、以下『町家建築史論』)です。期せずして、私の中期はこの本に集約されたことになります。

 幸いなことに、この本で建築学会賞(論文)を頂きました。後期を迎えた最初の年に運を使い果たした感がありますが、受賞は全く予想外の出来事でした。学会賞など私には全く縁遠い存在だったので、授賞式を終えても実感がわかず、タナボタ感が未だ抜けません。
 私としては、難しいよと言われてきた町家研究に、曲りなりにも持論を立てることができた達成感と、この本で人生中盤の四半世紀を締めくくることができた充足感にむしろ喜びを感じます。むろん、持論がこうして認められ評価された意義は計り知れず、大いに励まされ自信を得たことは言うまでもありません。
 『町家建築史論』に至る25年間の中で、なにより貴重だったのは助手時代の10年間です。比較的授業や公務が少ないこの時期に得た調査史料の蓄積と、研究の視点や方法論は、その後の研究を支え続けてくれました。
 それだけではありません。助手時代はフィールドワークに明け暮れましたが、それは研究室の学生・院生達と寝食を共にする作業でもありました。私が二十代後半から三十代前半で、学生との交流は楽しく、教師と学生の区別ない賑やかな研究室は、学生たちにとっても有意義だったろうと思います。

 林野先生の後には本夛昭一教授(現名誉教授)が来られました。両先生はともに自由な研究活動を認めてくださり、常に多くの支援を頂きました。私は、師には大いに恵まれました。同時にフィールドワークを共にする多くの学生・院生にも恵まれ、終止助けられました(その状況は今も続いています)。
 家屋調査は一人ではできません。その意味で『町家建築史論』は、研究室を巣立った多くの学生・院生との共同の成果です。

 さて、私の研究生活は後半戦に入りました。どんなテーマにせよ、常にフィールドありき、という点は今も変わりません。新たな視点と発想は現場から得られ、問題を解くヒントも現場にあると思うからです。地図をいくら眺めても新たな島は発見できないように、瑞々しい着想や方法論は、フィールドを深く視るなかから生まれてくると確信しています。学生に伝えたいのもこの点で、あらゆる仕事の現場に共通するものだと思います。
 京都を拠点に仕事ができることの幸運も、ただ座していては何も生まれません。どんどん外へ出かけましょう。

主な著書
 
『近世近代町家建築史論』単著、中央公論美術出版(2004)
『物語・ものの建築史 風呂のはなし』単著,鹿島出版会(1986)
“THE JAPANESE FURO TRENDY BATH LIFE”、単著,Japan Publications,Inc. (1992)
『阪神・淡路大震災と歴史的建造物』共著,思文閣出版(1998)
『京・まちづくり史』共著、昭和堂(2003)、他






































































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