1.不動産市場の行方 (株)不動産経済研究所 所長 角田 勝司
長齢化時代の歪みが医療、保険、年金…などの破綻にあらわれている時代。
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マンション・住宅を含めたライフスタイルの変革が訪れる。
戸建て住宅⇨平屋化
住宅⇨1フロア化=マンションが増える
*何十年も前から、上記のことを主張されていたらしい。
a)現在の不動産市場
マンションが増えた(人口が増えた)エリア=地価上昇(商圏ができた)エリア
住宅_マンション共に着工数は低水準のまま。
⇨建築基準法の改正も主な理由ではあるが、政策のネジレを指摘
・地方再生による財源のばらまきにより、地方にマンションを建設するも
地価の上昇にはつながらない。都市部の様に人口の集中している、また
は活気のある所に建てることで人が集まりより経済活動が盛んになる。
地方ではなく商業的に強い地域をより強くすることが解決方法とのと。
京都の景観規制は建物の高層化(マンション化)を阻害するものであり、
これからの住宅のあり方と合致しない。
b)今後の不動産市場
少子高齢化による需要の変化
⇨高齢者をターゲットにした住居構造が必要
・1人か2人位が住める広さ(50〜80平米)がよく、2Fは必要ではない。
長屋のような形状が今後の賃貸で必要とされるとのこと。
大阪経済の復活
⇨発展する要因が揃っている
・電車の相互乗り入れなどの交通網の整備
・大学の市内進出
・橋本府政による幼稚園_保育園の増加
・規制緩和による新規工場の建設
・ブランドショップの集積。
これらは、人を集める主な要因であり結果、経済を活発にさせる。
それを裏付ける様に超高層マンション 2万8千戸(計画数)のうち
1万8千戸(計画数)が大阪市内である。前項の強い地域をより強くする
流れが顕著に現れており、今後仕事をするならば大阪にしなさいと強調
していました。
2.森ビルの都市開発 森ビル(株) 広報室 礒井 純充
不動産のトレンド=狭義的には企業トレンドでもある。
企業のニーズに応えた建物や街のあり方を創造する会社が森ビル。
a)森ビルの開発理念
コンパクトな都市開発
⇨工業化社会の都市構造から知識社会の都市構造へのシフトを目標
・今までの都市計画は、工業、商業、オフィス、行政、住宅など、機能別の ゾーニングを基に行なわれてきた。結果、通勤の長時間化、オフィス街の 昼/夜人口の格差、点在による敷地の狭小利用を招き環境負荷や震災時の 脆弱性を構造的の持つ様になってしまった。
例えばニューヨークの都市構造は、街区を広く取ることにより職住近接の 複合建造物を持ち、建物の高層化(=VERTICAL GARDEN CITY)により、空
地を有効に利用している。日本に於いては街区の狭さが問題となっていた
が年月をかけて敷地を統合し、六本木ヒルズという一つのモデル都市の形
成に成功。
空と地下による敷地の有効利用(公園 緑化の増加)、職住近接による余
暇時間の活用(昼/夜人口の格差減少)、都心における文化施設の建設、
入居企業同士の交流これらにより経済価値の高いものとなった。
今後はこのような都市が主流となり、ビジネスの中心となるだろうとのこ
と。
(文:タナカ)
*先日放映の、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀/工場再建・山田 日登志」という
その昔、セル生産方式を生み出した方の物語。
人員の多数配置によるベルトコンベヤー上の単純作業・流れ作業から、
一人または少人数でひとつの商品をつくりあげることで、
実は能率、効率がずいぶんとアップし、必要な作業スペースまでもが少なくてすみ、
なおかつ社員のモチベーション、達成感もアップすることになるとのこと。
単純な流れ作業をしていると人間は頭を使うことを忘れるようで
仕事に対する創意工夫、やる気を失っていくようだ。
都市というか街の構造のあり方もこれに似ているのかもしれない。
住む・働く・遊ぶが混在する街。
人間生活の様々な場面が、街に存在することで
ようやく人間らしさが担保される、ということかもしれない(スミ)