今回、国宝指定されている茶室、三棟(待庵、如庵、蜜庵)のうち『待庵』
へ行ってきました。
場所はJR山崎駅の前にあります。
『待庵』は千利休が構想し、『わびの茶の湯』の発端として捉えられています。
特徴的なのは、二畳隅炉という狭さであり、『待庵』は客人を苦しめると当時、批判されています。
実際見た感じでは、ソトからはやはり小さく感じましたが、ナカ(入室は出来ないので、にじり口から見た感想です)はそれより広く感じまた、窓が3つしかない割には東西(北側は妙喜庵とつながっています)の空間を広く取っているので明るく感じました。
話によると、茶の道具を引き立たせる工夫が良く施されているとのことでした。それは、点前座にある隅炉の背後土壁を白く塗り、道具の背景を整え、道具に光が差し込む様窓が配置されており、その中で道具が行き交うことで茶の美しさを表現していたのではとのことでした。
個人的な感想として、二畳という狭小さの中、亭主、客人2人と計3人の人間が入るにも関わらずわびの茶が広まったのは、決めごとを互いが理解し、守る土壌があったから『茶の湯』として最小限の機能を果たした空間が受け入れられたのだと感じました。陣中という背景もありますが、その当時の文化レベルの高さを垣間見れた見学会でした。(タナカ)