設計:藤井厚二
竣工:1928年
聴竹居のHP→http://chochikukyo.com/index.html
小生、京都府立大学生活科学部住居学科出身だ。
先生は西山夘三研究室出身の方々。
でもって、西山夘三は藤井の研究室。
ってことで、藤井厚二のひ孫弟子と名乗れなくもない(笑)
まあそんなこともあって聴竹居は学生時代から
ちょいと思い入れがあって、観たいみたいとずっと思ってました。
ようやく念願かない建築士会の見学会に参加してきました。
東京方面ではレーモンドや吉村順三作の住宅の見学会なんかよくあるみたいで
とってもうらやましくて指をくわえて見ていたけど
関西にも聴竹居があるんだ!とちょっと嬉しい気持ち。
出隅開放の徹底したデザイン。
小屋裏や床下を利用したパッシブな通風システム。
工芸品的な家具・照明や木工造作のつくり込み。
モダン(デ・スティルっぽい)、アールデコ、伝統様式が混在した意匠。
そしてなんといっても和洋の生活様式の統合。
気持ちのいい窓の切り取り方や「流れるような空間」に各室のボリュームの抑揚。目線の高さと方向性を徹底的に意識した構成。
しかし!しかしだ。やっぱりなんか気持ち悪い。
徹底したつくり込みと、デザインがよくも悪くもやはり関西の建築だ。
執念が空間にしみついてる。
関西には「ええ加減」っていう素晴らしい概念があるはずなんだけど
こと良き建築に関しては「ええ加減」な建築は少ないなぁ。
まあそんなスマートじゃない建築の方が好きなんだけどね。
スミ