ずいぶん前から楽しみにしていた山口晃展。
それにあわせて行なわれた山口晃+山下裕二先生(明治学院大学の教授で日本美術史家)のデュオトークに行ってきた。
山口氏単独のトークショーも12月にあったんですが、小生、山下先生監修2002年BRUTUSの日本美術特集号が大のお気に入りの1冊。ここは是非ともデュオトークをということで、2ヶ月以上前から予約しての訪問。予想通りふたりの掛け合いは面白く笑いがたくさん起こるトークショー。超売れっ子になったにもかかわらず、作品と違って低姿勢というか腰を引いた感じの山口氏。山下先生は著作やディレクションに見られるように面白おかしい切り口での語り。きっとこのヒトの授業は楽しいんだろう。
中でも山下先生の「日本はハイブリッド文化だ」はなるほどと。
曰く、
・日本語とは漢字とカナの融合による言語。現代では英語(ヨコ文字)さえもその言語に取り込んでハイブリッド化。
・日本画とは漢書(の流れを汲む雪舟、狩野派)と和書?(大和絵)のハイブリッド
・電気とガソリンによるハイブリッドカーが日本で生まれたのもむべなるかな…
(「日本美術は神と仏のハイブリッド」という講演も以前されていたよう)
ということで、輸入文化を取り込んで発展してきた日本文化なので、侘び寂びが日本文化の神髄なんてのはおかしくて、真に日本的なものとは縄文までさかのぼらねばならない。岡本太郎もそういった理由で縄文に行きついたのだろう、と。
さて展覧会の方はホントに気づきとコネタとジョークと戦略が巧みな山口ワールドが全開!!建築もこんなつくり方、できるよね〜〜〜てな作品も満載。その完成度の高さの一方、まだ彩色されていない作品もあるようで、〆切が守れない山口キャラが垣間見えます(笑)。26日(月)の閉館日には加筆(本人曰く「蛇足を付け加えに」ってことらしい)をされるようで、なんとか終了日までには完成の日の目を見てほしいもんです。